失敗の心理学気が進まない約束ほど、きれいに忘れる——「うっかり」の下で働く逆意志のはなし
フロイトの記録は身も蓋もない。彼が往診の予定を忘れたのは、無料で診ていた患者と、同業の医師のところだけだった。報酬のある往診は忘れなかった。 知人の誕生日や昇…
失敗の心理学「5時間で足りてる」と思っている人が、自分では絶対に気づけないこと
ここに落とし穴がある。必要な睡眠時間は遺伝子でほぼ決まっていて、訓練で短くすることはできない。3時間で足りる本物のショートスリーパーは、数千人に1人。5〜6時間…
失敗の心理学罰金を導入したら遅刻が倍増した。「お金を払えばいい」が生む、取り返しのつかない崩壊
ダン・アリエリーがその著書の中で紹介するイスラエルの保育園の実験は、このメカニズムを鮮明に示している。 ある保育園では、親が閉園時間を過ぎて子どもを迎えに来る…
失敗の心理学AIに全部やらせた3か月後、自分では何も答えられなくなっていた
AIは「考える機械」ではない。これが、AI活用で失敗する人が見落としている最大の事実だ。 AIは大量のデータからパターンを学習し、「それらしい答え」を高速で生…
失敗の心理学間違いを突きつけられるほど、かえって意地になる――「私は正しい」を止められない自己正当化という罠
この正体を、社会心理学者キャロル・タヴリスとエリオット・アロンソンは「自己正当化」と呼ぶ。エンジンは、レオン・フェスティンガーが見つけた「認知的不協和」だ。人は…
失敗の心理学「自分が悪い」と思うほうが、実はラクだった——まじめな人が手放せない罪悪感の正体
イルセ・サンによれば、罪悪感は怒り・恐怖・悲しみ、そしてときに喜びという感情でできている。そして過剰な罪悪感は、もっと直視しづらい感情——とりわけ「無力感」と「…
失敗の心理学高い映画ほど最後まで見てしまう人が、知らずに踏んでいる「サンクコスト」という罠
行動経済学では、この現象を「サンクコスト(埋没費用)効果」と呼ぶ。サンクコストとは、すでに支払い済みで二度と取り戻せない費用のことだ。映画のチケット代も、リフト…
失敗の心理学"全員がはっきり見た"のに、そこには何も無かった——群れに入ると、人は確信したまま間違える
確かめてもいないことを、なぜ全員が同時に確信できるのか。100年以上前、ある軍艦の甲板で、その仕組みがむき出しになった。 軍艦ベル・プール号は、嵐ではぐれた僚艦…
失敗の心理学「自分は正しい」と思った瞬間、頭の中で目を覚ます“3人の住人”
組織心理学者のアダム・グラントは、人が何かを考えるとき、無意識に3つのモードのどれかに入ると言う。ひとつは牧師。自分の信じる「正しさ」が脅かされると、それを説い…
失敗の心理学「来月から本気出す」の来月が永遠に来ない理由——先延ばしを生む「時間不一致」という脳のクセ
だが、それは意志の弱さではない。心理学には「時間不一致現象(Time Inconsistency)」という考え方がある。人間の脳は、同じ作業でも時間的に遠いほど…
失敗の心理学なぜ同じ失敗を何度繰り返しても止まらないのか——失敗研究者が見つけた、繰り返しの法則
中尾は数千件の失敗を「失敗知識データベース」に収め分析を続けた。繰り返し失敗する人には一貫したパターンがある——失敗の「直接原因」だけを反省し「根本原因」を見て…
失敗の心理学うまくいっていたのに、なぜか突然崩れた——成功が脳の警戒センサーを壊す仕組み
東京大学教授・中尾政之は数千件の工学的失敗事例を分析し、一つの法則を導いた。「成功は失敗のもと」——過去の成功体験が「正解テンプレート」として脳に刻まれ、状況が…
失敗の心理学正解を知っているのに、なぜか間違いを選んでしまった人たちの話
これは意志の弱さではなく、「同調バイアス」と呼ばれる認知の傾きによるものだ。社会心理学者のソロモン・アッシュは1950年代、その仕組みを証明した実験を行った。「…
